調査の現場から生まれた特許技術
AGSは、調査で直面した課題を自社の技術開発で解決してきました。その成果のうち、現在有効な特許6件を4つの技術テーマに分けてご紹介します。
市販の機材だけでは、解決できない課題がありました
水中や海底の調査は、波・潮流・水深など現場の条件が毎回異なります。AGSは次のような課題を、機材と解析方法の改良で解決してきました。
探査データの精度
海底下を音で調べる際、音源やケーブルの位置がずれると、データの精度が落ちます。
水中撮影の安定性
水中で撮影機器の位置が定まらないと、同じ箇所を正確に記録できません。
底質把握の手間
水底の土質は採泥で確かめるのが一般的で、広い範囲を面で把握するのは容易ではありません。
機材の運搬負担
採泥用の船は重く、運搬や現場での取り扱いに手間がかかります。
4つの技術テーマと特許
特許の内容を、解決する課題と活用される調査に分けてご紹介します。
海底下の地層を、より正確に描き出す音波探査技術
音波探査(船から音を出し、地層からの跳ね返りで海底下の構造を調べる方法)では、音源や受振ケーブルの位置が精度を左右します。
技術のポイント
- 震源(音を出す装置)を、船の側面の前後中央に取り付ける構造です。解析時の計算を簡素にし、探査精度を高めます。
- ストリーマケーブル(音を受け取るセンサーを並べ、船で引くケーブル)を、目標の深さに保つ部材を2種類開発しました。
活用される調査
| 特許番号 | 発明の名称 |
|---|---|
| 特許第7014386号 | 震源ユニット及び海底地質探査システム |
| 特許第6966825号 | 深度保持部材、深度保持ユニット、及び海底地質探査システム |
| 特許第6966824号 | 深度保持部材、深度保持ユニット、及び海底地質探査システム |
関連ページ:洋上風力・海洋再エネ開発
震源ユニットとストリーマケーブルの配置
水中で撮影機器を安定させ、位置を細かく調整する技術
水中の構造物を撮影するとき、機器が揺れたり位置が定まらなかったりすると、正確な記録が残せません。
技術のポイント
- 水平方向のレールと昇降の仕組みを組み合わせ、撮影機器を支えたまま位置を調整します。
- 水平・上下の両方向に動かせるため、撮影したい箇所に機器を正確に合わせられます。
活用される調査
| 特許番号 | 発明の名称 |
|---|---|
| 特許第6807591号 | 水中撮像支援ユニット及び水中撮像システム |
関連ページ:インフラ老朽化・維持管理
水中撮像支援ユニットの構造
ソナーの水深データから、水底の土質を推定する方法
底質(水底の砂・泥・岩などの種類)は採泥で確かめるのが一般的で、広い範囲を把握するには地点数を増やす必要があります。
技術のポイント
- ソナー(音波で水中を探る装置)で得た水深データを格子状に区切り、隣り合う区画の高低差から水底の傾きを求めます。
- 傾きと底質の対応関係をまとめた表を使い、区画ごとに底質を推定します。
活用される調査
| 特許番号 | 発明の名称 |
|---|---|
| 特許第5939677号 | 水底の底質の推定方法 |
水深データから作成した底質分布の例
軽く運べて扱いやすい、採泥用ボート
採泥(水底の土砂を採取すること)に使う船は重く、運搬や現場での取り扱いに手間がかかります。
技術のポイント
- ゴムボート(インフレータブルボート)の上に作業デッキを設け、ピストンコアラー(筒を打ち込み、地層を柱状に採取する装置)を載せました。
- 櫓(やぐら)とウインチでコアラーを吊り下げる構造で、通常の船体より大幅に軽くなります。
活用される調査
| 特許番号 | 発明の名称 |
|---|---|
| 特許第5300611号 | 採泥用ボート及び採泥装置(共有) |
関連ページ:ダム調査 / 小型ピストンコアラー
採泥用ボートでの作業の様子
どの調査で特許技術が活きるか
課題別・調査別のページから、関連する特許技術をたどれます。
| 課題・調査 | 関連する特許技術 |
|---|---|
| 洋上風力・海洋再エネ開発 | 海底地質探査(第7014386号ほか2件) |
| 海底インフラ構築 | 海底地質探査(第7014386号ほか2件) |
| インフラ老朽化・維持管理 | 水中撮像(第6807591号) |
| 海洋環境保全・水産調査 | 底質推定(第5939677号) |
| 河川調査・ダム調査 | 採泥用ボート(第5300611号) |
保有特許一覧
2026年10月時点で権利が有効な特許です。詳細は特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)でご確認いただけます。
保有特許一覧を表示(6件)
| 特許番号 | 発明の名称 | 出願日 | 登録日 |
|---|---|---|---|
| 特許第7014386号 | 震源ユニット及び海底地質探査システム | 2021年10月21日 | — |
| 特許第6966825号 | 深度保持部材、深度保持ユニット、及び海底地質探査システム | 2021年9月3日 | — |
| 特許第6966824号 | 深度保持部材、深度保持ユニット、及び海底地質探査システム | 2021年9月3日 | — |
| 特許第6807591号 | 水中撮像支援ユニット及び水中撮像システム | 2020年8月25日 | — |
| 特許第5939677号 | 水底の底質の推定方法 | 2012年4月25日 | 2016年5月11日 |
| 特許第5300611号 | 採泥用ボート及び採泥装置(共有) | 2009年6月15日 | 2013年6月18日 |
出典:特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)。