高精度3次元測深によるダム堆砂量・構造物状況確認調査
ダムは建設された瞬間から、上流より流れ込む土砂によって有効容量を失い続けます。堆砂が進めば貯水量が減り、渇水時の給水制限に直結する——。株式会社アーク・ジオ・サポート(AGS)は、マルチビーム音響測深システムとi-Construction対応の三次元計測技術を組み合わせ、この不可視の課題を可視化・定量化します。
発注者様が抱える課題
課題1:堆砂量の正確な把握が困難
従来の単ビーム測深(横断測量)では測線間の地形変化を捉えられず、出水直後の不規則な堆積を正確に評価できませんでした。容量計算の精度が低いと、水位―容量曲線が誤差を含み、渇水時の運用判断に狂いが生じます。
課題2:濁水・暗所での調査が困難
豪雨後の貯水池内は高濁度状態が長期間続き、通常の水中カメラによる視覚的確認は不可能です。堆砂が取水口や排砂門の周辺に及ぶと、設備の閉塞・機能低下リスクが高まります。
課題3:極浅水域・構造物近傍の計測困難
取水塔付近や流入部(デルタ部)の極浅水域は、大型測量船が進入できず、計測の空白地帯となりがちです。
課題4:管理高度化とDX対応への要求
i-ConstructionやBIM/CIMへの対応が求められるなか、点群データ形式での納品・三次元モデルによる浚渫計画への活用が発注者側の新たなニーズとなっています。
AGSの解決アプローチ
AGSは複数の音響測深システムを組み合わせ、ダム全域の面的計測と困難環境下での精密調査を両立します。
STEP 01 事前解析・重点エリア特定
過去の測量データ・出水記録・竣工図を照合し、堆砂進行が著しいエリア(流入デルタ部、取水構造物付近)を特定。現地調査の効率を最大化します。
STEP 02 全域マルチビーム測深(面的計測)
Sonic2024/Sonic2026(広帯域マルチビーム測深機)+ PHINS/OCTANS(慣性航法装置)を組み合わせ、船体動揺をリアルタイム補正しながら数センチメートル精度の点群データを貯水池全域で取得します。
STEP 03 濁水・暗所での構造物確認
ARIS(水中音響カメラ)により、高濁度環境でも取水塔・排砂門周辺の堆砂状況を映像化。4200MP(サイドスキャンソナー)で堆積物の土質構成(砂・粘土・岩塊など)を推察します。
STEP 04 三次元モデル構築と容量計算
取得した点群データを竣工図(元地形)と比較解析し、堆砂厚の分布図とBIM/CIM対応の三次元モデルを構築。水位ごとの貯水容量を高精度で再計算(水位―容量曲線の更新)します。
STEP 05 報告書・成果物の納品
三次元鳥瞰図・断彩図・点群データ(LAS形式等)・堆砂体積算出レポートをi-Construction対応形式で納品します。浚渫計画・排砂バイパス運用の設計資料として直接活用いただけます。
AGSを選ぶ技術的根拠
面的計測で「測線間の盲点」をゼロに
マルチビーム測深は単ビームと異なり、扇状に広がる多数の音波で湖底を面的に計測します。一度の航行で幅広い帯状の地形データを取得するため、測線間に空白が生じません。出水直後の不規則な堆積形状も漏れなく把握できます。
i-Construction・BIM/CIM対応の三次元納品
国土交通省のi-Construction基準に準拠した点群データ形式で納品。取得した三次元モデルはダムのデジタルツイン構築・将来の浚渫設計・土量積算に直接活用できます。
濁水環境での確実な計測
音響技術ベースの計測は光学式に比べ濁水の影響を受けません。ARISによる音響映像、マルチビーム測深による地形計測の組み合わせにより、豪雨出水直後の過酷環境下でも精度を維持します。
ダムごとの特性を踏まえた計測設計
ダムの型式(重力式・ロックフィル等)・流域荒廃状況・過去の堆砂動態・管理目標に応じて、測線計画・使用機材・解析手法をオーダーメイドで設計します。「一律の測量」ではなく「管理者の意思決定を支えるデータ提供」を起点に業務を設計します。
代表実績
| 名称 | 顧客・実施年 | 内容 |
| 筑後川上流ダム堆砂測量業務 | 水資源機構筑後川上流総合管理所 2023 年 | 堆砂測量 |
| 木津川ダム群貯水池堆砂測量業務 | 水資源機構木津川ダム総合管理所 2022 年 | 堆砂測量 |
| 日吉ダム貯水池上流部堆砂測量業務 | 水資源機構日吉ダム管理所 2021 年 | 堆砂測量 |
| 大山ダム貯水池堆砂測量業務 | 水資源機構筑後川上流総合管理所 2020 年 | 堆砂測量 |
| 新宮ダム堆砂測量外業務 | 水資源機構池田総合管理所 2019 年 | 堆砂測量 |
| 荒川ダム総管貯水池堆砂測量業務 | 水資源機構荒川ダム総合管理所 2018 年 | 堆砂測量 |
| 貯水池内堆砂測量業務 | 水資源機構下久保ダム管理所 2017 年 | 堆砂測量 |
| 木津川ダム群貯水池堆砂測量業務 | 水資源機構木津川ダム総合管理事務所 2017 年 | 堆砂測量 |
| 草木ダム貯水池堆砂測量業務 | 水資源機構草木ダム管理所 2017 年 | 堆砂測量 |
| 滝沢ダム貯水池堆砂測量 | 水資源機構荒川ダム総合管理所 2016 年 | 堆砂測量 |
成果物・納品物
- 三次元鳥瞰図・断彩図(全域・部分拡大)
- 点群データ(LAS/LAZ形式等、i-Construction対応)
- 堆砂体積算出レポート・水位―容量曲線(更新版)
- 構造物近傍の音響映像(ARIS)・湖底画像(サイドスキャンソナー)
- BIM/CIM対応 三次元モデル
- 経年変化比較図(前回測量との差分分布図)
お問い合わせ
| ダム調査のご相談・お問い合わせはこちら03-5304-7899電話受付 9:00〜18:00(土日祝除く) |
▶ 関連ページ:河川調査 / 技術研究・開発・特許 / システム機材