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船体検査システム

システム概要

船体検査システムは、船舶を岸壁等に係留したまま水中音響カメラ(ARIS)を利用し、海面下の船体の付着物(藻類や貝殻など)の状況を簡便に検査できるシステムです。これにより入渠することなく、また潜水員に依らず、濁水下であっても船体の検査を行うことができます。

  • 目指す効果
    ①トータルコストの削減
    年々増加する船体の年次検査費用、また海難事故等のリスク軽減に対する非入渠年での船体状況の修繕箇所の早期発見等に関わる費用等をトータル的に低減する。
    ②作業事故のリスク削減
    現在船体検査は主に潜水士によってなされているが、濁水等の悪環境下での潜水作業等により起こりうる事故のリスク軽減。
    ③船舶稼働率の向上
    修理日数の短縮による船舶不稼働日を縮小するために、適切な時機での効率的なメンテナンスを行う。
    ④エネルギー効率改善による温室効果ガス削減
    船体に対する海洋付着物は船体運航時の摩擦抵抗を増加させ、運航経費を悪化させる。
    さらに大気中への排出ガス増加にもつながるため、海洋付着物の把握が必要。

  • 利用例
    【船体検査システム】
    ・船体付着物の定量的確認
    ・船体の損傷、劣化状況の確認
    ・付着物、劣化状況からの運航への影響を推測
    ・計測データの積み上げによる船体の経歴管理
    【テロ対策等爆発物対策】
    ・ROVに水中音響カメラ(ARIS)を艤装し艤装しリムペットマイン(吸着機雷)
     など爆発物を探知 ⇒潜水員がARISを携行して探知(視界不良時,近接困難時に有効)
    【海洋生物の越境移動対策】
    ・入港時前に海洋上で検査を実施、付着物の除去実施の判断

    【水中構造物の保守、点検など】
    ・河川の護岸などの概査点検に利用し詳細調査必要箇所の特定